政治と野球と宗教と家庭環境の話はしないでちょうだい! |
公立高校に落ちて私学に行ったのですが、「親の職業が生徒同士の話題になる」という現象を初めて体験しました。
私学に来るような子たちですから、医者や学者の倅もぞろぞろ。そんな中で「お父さんの仕事は何?」がひとつの共通の話題だったのですね。
医学部に行くとさらに顕著に。田舎の医学部なので、親が地元で開業医とかふつーーにあるあるなんです。
「君は○○クリニックの息子さんか!」
みたいな。もう、父親の職業が必ずついてまわる世界でした。
さらに研修医になると、上級の先生はまず、出身大学と出身地、そして父親の職業を訊いてくるわけです。
母子家庭育ち、顔も知らない父親は憎しみの対象でしかない私。
私が成人した頃に、死んだらしいと(私の母親は)人づてに聞いた。
それがひとつのコミュニケーションだと分かっているので、忌々しさを飲み込んで「死にました」って言う。
そしたら「もとはなんの仕事をしてた人?」とくる。
ふつう、死んだって聞いたら御愁傷様で解放してくれないんですか!?
それでもまだ、「父親の仕事が医師である場合、それが会話の取っ掛かりになる文化」なので、「仕事は知りません。母子家庭です」と答える。
すると死因を訊いてくる人がいる。医師として興味あるネタなのかもしれませんが、知らないんだよ本当に。いや、顔も職業も知らないのに死因だけ知ってても怖くないか!?
もうね、死にましたか母子家庭ですのあたりで自重して欲しいんですよね。せめて職業知らないのところで、話のネタにはならないの確定してるんだしさ。
世の中の母子家庭育ちにも色々あるでしょうし、子どもと父親の関係は悪くないパターンもあるとは思います。でも、そうじゃない人もいるのよ。
私が父親について知っていることは、親に頼り切りのマザコンで、養育費を払わず逃げおおせたクズということだけ。
話に出したくないし、思い出したくないのよ。でもそれをコミュニケーションだと思っている年配の先生方がよく見られるので、毎回思うのです。
政治と野球と宗教の話はタブーというけど、家庭環境の話もしないでちょうだい。
たち悪いなこいつって思ったのは、根掘り葉掘り死因を聞くのもそうだけど、飲みの席で父親の話題を振っておいて「母子家庭なんで」って言ったら一気にお葬式ムードになった人ね。
お前が聞いたんだよ!!のらりくらり家庭の話をかわしていたら、それでも聞いてくるので仕方なく、みたいなパターンはよくあるけど。
自分で聞いておいてお葬式ムードつくるのやめてよね!!せめて明るい話題を振ってちょうだいよまったく。
世の中、医者の子しか医者にならないわけではないので、先生方にはデリカシーを装備してほしい今日このごろです。